四間飛車急戦 32銀54歩型鷺宮定跡 研究⑫
こんにちは。nirosu2です。
32銀54歩型鷺宮定跡 研究第12回やっていきます。
いよいよ大詰めでございます。
▲38飛車を保留して▲66歩とした局面です。
この進行はプロの実践例もありまして、
当時は中原永世名人がかなり採用していた作戦です。
狙いとしては二つあって、
一つは端角です。
山田定跡でも現れる変化ですが、
▲97角~▲86角or▲79角のような活用を見ています。
場合によってはその筋を▲65歩と位をとってやろうという
腰の入った攻めです。
もう一つは
中央を厚くして戦うことです。
具体的には▲65歩~▲66銀~▲67金のような進行です。
ゆっくりしていて居飛車の陣形が完成してしまうと、
さばく所がなくなって振り飛車側完封負けしてすることもあるので、
そこも注意が必要です。
さて振り飛車どう対応するかですが、
△64歩、
△43銀、
△45歩
この辺が見えますね。
急所2には△64歩が書かれています。
居飛車の二つの狙いを受けるなら△64歩が普通でしょうか。
今回は△43銀をテーマ図に話をしていこうと思います。
これは△45歩~△44銀と指すのが狙いの手です。
なのでそれを受けるために▲65歩とするのが普通だと思います。
ここで振り飛車の手番ですが
①△53金
②△84歩
が考えられるところです。
①△53金
△53金を見ていきます。
これは65の位に反発するのが狙いです。
ここで居飛車の手番ですが、
①-1▲97角
①-2▲77角
①-3▲67金
が考えられるところです。
①-1▲97角
▲97角を見てみます。
この端角よく出てくるので覚えておきましょう。
▲97角以下、
△52飛車(△52銀も有力)▲86角△84歩▲67金△83銀▲88玉△72金。
結果図は一局の将棋だと思います。
お互い何を指すか難しいですが、
居飛車側は、
▲78金か▲77桂だと思います。
振り飛車側は、
△85歩か△92香車と穴熊にするかだと思われます。
①-2▲77角
▲77角を見てみます。
これは1手パスみたいな意味が強いんですが、
振り飛車の手を見て対応を決めようという手です。
▲77角以下、
△32飛車▲46歩△64歩▲86角△35歩▲35同歩△42角。
結果図は互角ながらやや居飛車指せると思います。
この変化結構高度なやりとりをしていて、
△32飛車に対して▲46歩は45歩早仕掛けを見せた一手ですね。
そこで△42飛車と受けては何をしてるかわからないので、
△64歩と反発。
65歩を取り込まれる手を▲86角で消して、
3筋突き捨てた後△42角としたのが結果図。
この変化もお互い指す手が難しい力戦風の将棋ですね。
①-3▲67金
▲67金を見てみます。
これも自然な手で中央を厚くしておこうってことですね。
▲67金以下、
△64歩▲64同歩△64同金▲97角△62飛車▲77桂△65歩。
結果図は一局の将棋。
6筋を争点にした難しい将棋です。
②△84歩
①の△53金でもいい勝負そうでしたが、
△84歩も調べてみましょう。
これは銀冠へと囲いを進展させる狙いです。
ここで居飛車の手番ですが、
②-1▲46歩
②-2▲67金
②-3▲66銀
が考えられる。
▲46銀と斜め棒銀風の仕掛けをするのは、
12香型なので居飛車指しにくいと思うから割愛。
②-1▲46歩
▲46歩を見てみます。
これが本筋だと思います。
▲46歩以下、
△83銀▲45歩△72金▲44歩△44同銀▲37桂。
結果図は居飛車指せる。
12香車が有効じゃないし、61に割り打ちが残ってるのもあるし、
将来的に桂渡しそうなので75桂も後でありそうです。
振り飛車側が不利ではないけど、
実際勝つのは大変だと思います。
②-2▲67金
次に▲67金を見てみます。
▲67金以下、
△83銀▲66銀△72金。
結果図は互角ながら居飛車指しやすいと思います。
居飛車側には▲57銀や▲77角等指したい手がたくさんあるけど、
振り飛車側はそこまでプラスになりそうな手があまり浮かばない。
②-3▲66銀
最後に▲66銀を見てみます
これは65の位を一番早く支えるならこれっていう手です。
▲66銀以下、
△83銀▲67金△72金。
結果図は互角ながら居飛車指しやすいと思います。
②-2と同じ形です。
調べた結果です
①△53金⇒互角ながら居飛車指しやすい
②△84歩⇒互角ながら居飛車指しやすい
って感じでした。
冒頭の分岐図です。
ここで△43銀だとはっきり悪くはないけど、よくも無さそうです。
てことで△64歩か△45歩と指すことになりそうです。
今回はここまでです。
読んで頂きありがとうございました。