にろすのおうち

将棋とカラオケとドラクエと妻が好きな30代男性です。なんでもほどほどに。

四間飛車VS居飛車穴熊 速攻編⑨

こんにちは。nirosu2です。
四間飛車VS居飛車穴熊 速攻編第9回をやっていきます。

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今回から▲38飛車と寄った形を調べます。
▲99玉ともぐれないのでこれは仕方ない手なんですが、
この局面が居飛車やや苦しそうな気もしますが具体的にどう良くするか考えていこうと思います。

渡辺先生の本によると、振り飛車側の応手としては
△43銀、△44飛車、△82玉が書かれています。

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今回は△44飛車を調べてみようと思います。
これに対して居飛車は▲36歩△36同歩▲36同飛車と動いてきます。

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これが▲38飛車の狙いで、
振り飛車側に理想形を許さない意味がある。

これに対しては△43銀と上がる位だと思われます。

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ここからの戦いを分岐にして考えていこうと思います。

居飛車の手番ですが
①▲78金
②▲67金
③▲37桂

が考えられます。

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①▲78金

▲78金を見てみます。
これは渡辺本に書かれている手で是非覚えて頂きたい手です。
居飛車側は離れ駒を作らないようにするのが基本姿勢で、
▲78金はよく現れる手です。

渡辺本には▲78金以下、△34飛車▲35歩で先手指せると書かれている変化なんですが、
違う手もあると思う。

▲78金以下、
△35歩▲35同飛車△34銀▲38飛車△25銀▲67金
△36歩▲26歩△26同銀▲36飛車△24飛車。

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結果図は居飛車指せそうだけど大変だと思う。

△35歩▲35同飛車と飛車を呼び込んでみてどうか。
居飛車の陣形はまとまっているけど穴熊にはまだ組めていない。

対して振り飛車側は形が軽いからいい勝負だと思います。

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②▲67金
▲67金を見てみます。
▲78金と似たような意味の手です。
これにも△35歩としたいです。

▲67金以下、
△35歩▲35同飛車△34飛車▲34同飛車△34同銀
▲78金△39飛車▲31飛車△44角▲21飛車成△29飛車成。

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結果図は居飛車指せそうながら大変そう。
振り飛車側は銀が遊んでるけどの香車に紐がついているのがどうなってるか。

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③▲37桂
▲37桂を見てみます。
この手が見えた人はかなり筋がいいと思います。
居飛車の理想形なので是非覚えて頂きたいです。

振り飛車側の手番ですが、
③-1△35歩
③-2△64歩
③-3△82玉

が考えられます。
また分岐が多いんですけど、
類似形かなり多いので一回やっておきます。

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③-1△35歩
△35歩を見てみます。
△35歩以下、
▲35同飛車△34飛車▲34同飛車△34同銀
▲41飛車△39飛車▲59角。

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結果図は互角。
穴熊に組む前に戦いを起こす一例です。
実際は振り飛車側歩切れだし居飛車指せるかもしれないですが、
穴熊は阻止して戦える形にはなってるから作戦的にはうまくいってると思う。

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③-2△64歩
△64歩を見てみます。
△64歩以下、
▲67金△82玉▲78金△54歩▲99玉。

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結果図は居飛車指せる。
△64歩が活きる展開になっていないし、
△74歩から高美濃にしてる間に穴熊を完成させられてしまう。

△35歩からおなじみの攻め筋をしても1手もぐれているので
▲88銀の一手で穴熊が完成してしまう。

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③-3△82玉
△82玉を見てみます。
個人的には③-2の△64歩よりは△82玉の方がいいと思う。

理由は後で△74飛車や△84飛車も含みに残っているし、
陣形も71玉型よりは82玉型の方が堅い。

ここで▲99玉には△35歩~△34飛車があります。
というわけで居飛車の応手としては、
③-3-1▲67金
③-3-2▲78金

になります。

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③-3-1▲67金
▲67金を見てみます。
▲67金以下、
△35歩▲35同飛車△34飛車▲34同飛車
△34同銀▲78金△39飛車▲35歩△35同銀
▲45桂△44角▲31飛車△36歩。

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結果図は互角。

居飛車側の桂は逃げれているけど
振り飛車側にはと金の種ができていることと82玉型なので
局面のバランスが取れていると思う。

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③-3-2▲78金
▲78金を見てみます。
これが一番厄介だと思う。

振り飛車の応手としては
③-3-2-1△64歩
③-3-2-2△38歩
③-3-2-3△34飛車

が考えられます。

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③-3-2-1△64歩
△64歩を見てみます。
△64歩以下、
▲67金△24歩。

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結果図は互角。
互角というかこの△24歩を是非覚えて頂きたくて、
将棋倶楽部24の高段帯で観戦しているとよく見かける手です。

これ▲24同歩とは指しにくくて
△24同飛車▲25歩△34飛車のような展開を狙っています。

居飛車側は▲68銀か▲99玉か何を指すかわからないんですが、
振り飛車側持っていい勝負になると思う。

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③-3-2-2△38歩
△38歩を見てみます。
△38歩以下、
▲32歩△32同銀▲35飛車△43銀▲45桂△34銀
▲33桂成らず△35銀▲21桂成△46歩▲55角△47歩成。

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結果図は互角。
難しい切り合いですね。

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③-3-2-3△34飛車

最後に△34飛車ですが・・・
ここまでに調べた筋と同じなので割愛します。
結論は勿論互角。

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というわけで結論ですが
①▲78金⇒居飛車指せそうながら大変
②▲67金⇒居飛車指せそうながら大変
③▲37桂⇒互角

でした。
全体を通して居飛車が98香車指したけど穴熊に組める戦いにはなってないから
それだけで不満といえばそういう見方もできるけど意見が分かれるところだと思う。

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この記事ではここで△44飛車を指した後の戦いを今回やりました。
次回は違う手を見ていきます。

ここまで読んで頂きありがとうございました。