にろすのおうち

将棋とカラオケとドラクエと妻が好きな30代男性です。なんでもほどほどに。

【四間飛車の基礎】斜め棒銀64歩68金直型 2筋突き捨て無し編37手目▲57銀引き

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四間飛車斜め棒銀戦でおなじみの局面。
振り飛車党であれば何十回と遭遇してる方が多いと思います。

子育ての合間で四間飛車の急所2を読んでいました。
復習しておかないとすぐ忘れちゃう・・・
じゃなくて、子育てに集中しなさいって話なんですがw

子供が夜泣きしてる間は結構暇なんです(;´・ω・)

というわけで?(笑)
復習した所をブログにあげるか悩んだのですが、
せっかくなのであげてみることにします。

今回の記事では64歩68金直型で▲57銀引きの変化について書いていきます。


振り飛車党としては必修定跡で、
居飛車から▲57銀引き、▲88角、▲22角とぱっと見えますが、
それぞれ丸暗記したい変化です。

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さて本題ですが、▲57銀引きとした局面。
ここは△43銀引きが手筋で定跡の一手です。

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△43銀と進んだ局面です。

居飛車の手番で、
①▲28飛車

②▲33飛車成

が考えられる局面です。

実際に多いのは▲33飛車成ですが、▲28飛車も調べていきます。

f:id:nirosu2:20211215104011p:plain①▲28飛車
まず▲28飛車から見てみます。
▲28飛車以下、
△35飛車▲24歩。

f:id:nirosu2:20211215104025p:plain△35飛車がこの場合手筋の一着。
▲24歩と突き出して結果図。

ここで振り飛車の手番で
△33角と△24同歩がある。

f:id:nirosu2:20211215104036p:plain△24同歩を見てみます。
△24同歩以下、▲24同飛車△33桂▲16角。

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結果図は難解。急所2で紹介されてる変化です。
しかし結果図以下△28歩で振り飛車そこそこ指せそうな気もしますね・・・

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△24同歩ではなく△33角を見てみます。
△33角以下、
▲66角△24歩▲33角成△33同桂▲24飛車△25飛車。

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結果図は振り飛車指せる。
この飛車ぶつけはよく出てくる手筋なので覚えておきたい手です。

f:id:nirosu2:20211215104129p:plain△35飛車の所を△34飛車でもいいと思います。
何か狙いがあるわけではないですが、
△74歩から高美濃を目指して囲いを進展させていくのも有効そうです。

f:id:nirosu2:20211215104141p:plain②▲33飛車成
▲28飛車は振り飛車指せそうな変化が多かったので、
▲33飛車成を見ます。

▲33飛車成以下、
△33同桂▲34歩△34同銀▲31飛車△43銀。

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結果図は振り飛車指せる。
沢山書きましたがここまで定跡です。

結果図以下、
▲33飛車成には△44角。
▲11飛車成には△27飛車で陣形が堅い振り飛車側が有利な中盤戦です。

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冒頭の図面に戻ります。

ここで▲57銀引きは振り飛車良くなることは上で書いた通りで、
実際は▲22角か▲88角ということになります。

この記事では▲22角か▲88角の手順については
下に書きたい手順があるのであえて割愛してますが、
2筋突き捨て無しの場合は▲22角や▲88角でも振り飛車が指せます。


しかし今回この形では▲57銀引きは振り飛車良くなりましたが、
必ず毎回同じ対応でいいわけではないんです。
少し形が違えば結論が変わるケースもあります。


その例をあげます。

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▲24歩から2筋を突き捨ててから▲38飛車と回った局面です。

実はこの2筋突き捨てから斜め棒銀をするのが居飛車最有力で、
64歩型は居飛車が良くなると一般的に言われています。


図面以下の手順を書きます。
△36歩▲36同飛車△45歩▲33角成△33同飛車。

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冒頭の図面と同じような局面にきました。
途中の△36歩が大事な手で、1歩突き捨てたからこそ生じた筋です。

実はこの局面では▲88角や▲22角ではなく、
▲57銀引きが居飛車最善です。

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ここで▲88角だったらどうか。
▲88角以下、
△46歩▲33角成△45銀!▲35飛車△33桂▲33同飛車△56銀。

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結果図は振り飛車良し。
途中の△45銀と出た時に飛車に当てるために△36歩と呼び込む必要がありました。
これも定跡の一変化で、微妙な形の違いで結論が変わることを覚えて頂きたいです。

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▲88角は振り飛車良くなりましたので、
▲57銀引きとした局面です。

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2筋突き捨て無しパターンと同じように△43銀だとどうなるか。
▲26飛車では上記の△35飛車と同じですから、
▲33飛車成を調べます。

△43銀以下、
▲33飛車成△33同桂▲34歩△34同銀▲31飛車△43銀▲34歩。

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結果図は居飛車良し。
△36歩▲36同飛車で1歩を渡している為、
2筋突き捨て無しパターンと同じように進めた際にこの叩きがあります。

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余談ですが、ここで△43銀は居飛車良くなるので
△35歩が定跡の一手です。

ここで居飛車側が▲38飛車と▲39飛車にわかれていきます。


ここ以下の手順については今回割愛しますが、
このように2筋の突き捨てが一つ入っているだけで結論が変わることをご理解いただけたと思います。

歩のつき方ひとつで振り飛車側も対応を変えないといけないし、
分岐の整理が常に必要ですし、実践で現れてうろ覚えだなと思ったら復習が必要になるわけですね~

 

以上です。
ここまで読んで頂きありがとうございました。