にろすのおうち

将棋とカラオケとドラクエと妻が好きな30代男性です。なんでもほどほどに。

四間飛車急戦 32銀54歩型鷺宮定跡 研究⑤

こんにちは。nirosu2です。
今回も鷺宮定跡の研究をやっていきます。

32銀54歩型で、△64歩ではなく△12香で進めた変化を見ていきます。

 

今回の記事はかなり難易度高めです。

この研究シリーズは将棋倶楽部24の三段~四段向けで書いてきた内容ですが、

この記事は高段、その中でも振り飛車に指し慣れてる人向けです。

 

初心者から級位者、また初段二段くらいの方、定跡うろ覚えの方は混乱すると思うのでブラウザバック推奨です。

 

f:id:nirosu2:20220105075514p:plain



前回は▲36飛車の変化をやりましたが、
今回の記事では▲33角を調べます。

 

この盤面、結構実戦で頻出します。
ここでどういう進行にすれば振り飛車側を持ってよくできるか、
感覚を掴んでおけば勝ちが増えやすいと思います。

だからこそ力を入れて作っちゃった感もあります・・・(^▽^;)

 

あと居飛車側の指し手も多いです。

前回の▲36飛車、今回の▲33角以外では▲66角や▲28飛車もあり得ます。

 

指し手を丸覚えするのは無理なんですけど、
少しの形の違いで進行も変わってくるので要復習の定跡です。


さて本題の▲33角ですが、
居飛車としては▲33角の前に▲28飛車と指してから進めるのが本筋なのですが、
▲28飛車を省略して▲33角とされることもありそうです。


振り飛車側の候補手としては、
①△64角
②△27角
が考えられます。

△27角は四間飛車の急所2に書かれている変化です。

f:id:nirosu2:20220105075613p:plain①△64角

では△64角から見ていきます。
△64角に対しては、
①-1▲66角成

①-2▲55歩

が考えられます

f:id:nirosu2:20220105075641p:plain

 

①-1▲66角成
▲66角成だとどうか。
▲66角成以下、
△19角成▲33歩成△29馬▲36飛車。

f:id:nirosu2:20220105075703p:plain


結果図は互角ながら居飛車の方が指しやすい局面だと思います。

結果図以下、△64香車には▲77馬で次がないし、
△18馬には▲26飛車があって居飛車側の方が指し手が解りやすいです。

 

f:id:nirosu2:20220105075724p:plain

①-2▲55歩

▲66角成で居飛車よさそうでしたが、▲55歩も見てみます。
▲55歩以下、
△55同角▲55同角成△55同歩▲36飛車△28角▲11角△42金。

f:id:nirosu2:20220105075754p:plain


結果図は互角。

この研究記事でも何度か書いてますが、△42金はよく現れる受けの手筋です。


結果図以下、▲26飛車△19角成▲25飛車だと△24香車があります。

f:id:nirosu2:20220105075848p:plain②△27角
△64角は居飛車が少し指せそうでしたので、△27角を調べます。

 

△27角には、
②-1▲28飛車

②-2▲39飛車

が考えられます。

f:id:nirosu2:20220105075925p:plain

②-2▲39飛車
先に▲39飛車を見てみます。
▲39飛車以下、
△38歩▲59飛車(飛車がどこに逃げても同じような進行)△36角成▲77角成△35馬▲33歩成△31飛▲43と△43同金▲22馬△33飛車。

f:id:nirosu2:20220105080001p:plain

結果図は振り飛車指せる。
居飛車側からこれといって指す手が難しいです。

f:id:nirosu2:20220105080015p:plain

②-1▲28飛車
▲39飛車は振り飛車指せそうでしたので、
▲28飛車を見ます。

▲28飛車以下、△36角成。

f:id:nirosu2:20220105080046p:plain

 

ここで居飛車の手番ですが、
②-1-1▲26銀、
②-1-2▲66角成、
②-1-3▲44銀、
が考えられます。

 

四間飛車の急所2に紹介されてる変化は▲26銀ですが、
恐らく居飛車の最善は▲26銀だと思います。

f:id:nirosu2:20220105080139p:plain

②-1-1▲26銀
▲26銀をみてみます。
▲26銀以下、△34銀。

f:id:nirosu2:20220105080202p:plain

結果図は振り飛車良し。
四間飛車の急所2に書かれている形勢判断です。

結果図以下、
▲15角成には△24歩▲24同馬△27歩があるし、
▲11角成には、△46歩や△42金くらいでいいと思います。

f:id:nirosu2:20220105080224p:plain

②-1-2▲66角成
▲26銀は振り飛車良さそうでしたので、▲66角成を見てみます。

▲66角成には
②-1-2-1△35馬、
②-1-2-2△42金、
②-1-2-3△34銀、
が考えられます。

f:id:nirosu2:20220105080322p:plain

②-1-2-1△35馬
△35馬だとどうか。
銀を取る一番自然な対応だと思います。

△35馬以下、
▲33歩成△31飛車▲43と△43同金▲26銀△53馬▲25銀△64馬▲37銀△65銀。

f:id:nirosu2:20220105080345p:plain

結果図は振り飛車良し。
陣形が手厚いし形も軽いのでいいと思います。

f:id:nirosu2:20220105080357p:plain

②-1-2-2△42金
△35馬でよさそうでしたが、
△42金も見てみます。

△42金以下、
▲44銀(▲26銀もありそうです)△34飛車▲43銀成△43同金▲27銀△17桂成▲17同桂△24飛車。

f:id:nirosu2:20220105080421p:plain

結果図は振り飛車優勢です。
技が決まった格好です。

f:id:nirosu2:20220105080436p:plain

②-1-2-3△34銀


△34銀を見てみます。
△34銀以下、
▲34同銀(ここも▲44銀や▲26銀は考えられる。)△34同飛車▲22馬△35馬▲23馬△36歩▲12馬△32飛車。

f:id:nirosu2:20220105080505p:plain

結果図は振り飛車指せる。

 

f:id:nirosu2:20220105080522p:plain

②-1-3▲44銀
最後に▲44銀を見てみます。

▲44銀に対しては、
②-1-3-1△34銀

②-1-3-2△33飛車

が考えられます。

f:id:nirosu2:20220105080630p:plain

②-1-3-1△34銀
△34銀を見てみます。
△34銀以下、
▲15角成(▲11角成には、△46歩▲33銀成△31飛車▲22馬△41飛車)△31飛車▲33馬△46歩▲46同歩△46同馬。

f:id:nirosu2:20220105080643p:plain

結果図は振り飛車優勢。
駒の働きが大差で、居飛車側は飛車と馬に当たってるのでまとめるのが大変だと思います。

f:id:nirosu2:20220105080659p:plain

②-1-3-2△33飛車
最後に△33飛車を調べます。

△33飛車以下、
▲33同銀成△44銀▲32飛車△64角▲18飛車△18同馬▲18同香車△36歩。

f:id:nirosu2:20220105080725p:plain

結果図は振り飛車指せる。
居飛車の攻めが重いかなと思います。

f:id:nirosu2:20220105080742p:plain

冒頭の図面再掲。
▲33角の変化調べてきましたが結論としては、
①△64角⇒互角か居飛車指せそう
②△27角⇒振り飛車良さそう

って感じでした。

ここまで読んで頂きありがとうございました。