四間飛車VS45歩早仕掛け 定跡外の変化を紹介。高美濃に組めたら振り飛車十分
みなさま定跡ってどうやって研究してますか?
定跡を覚える事は上達への近道。
序盤で困ったことが無い方は、物凄くセンスがあると思います。
定跡外になって私がよく考えるのは、
形勢を損ねないように本筋を意識することと、
互角ならまずまずと捉えて指すことだと考えています。
現代将棋はAI研究が中心の時代ですが、振り飛車を指すと評価値を下げる事が多いですね。
まあ昭和の時代から飛車の働きで劣るので、振り飛車はずっと消極的だと言われていましたが・・・
また将棋を指していて、定跡外の手を指された時に困ることもよくあると思います。
定跡の本線ばかりに目がいきがちですが、定跡通りに進むことの方が実際は少ない。
そんな経験皆さま多いと思います。
今回は△64歩とついた局面で、
ここで45歩早仕掛けをする場合は先に▲45歩とするのが定跡ですが、
▲45歩の前に▲37桂だった場合について書いていきます。
▲37桂に対しては△63金と△32銀があります。
△63金だった場合は、
△63金以下▲45歩△74歩で定跡に合流しても一局です。
しかしそうなると振り飛車側が玉頭銀で戦う事が出来ないのが懸念される・・・
これが序盤の駆け引きというやつで、
一般的に45歩早仕掛けには玉頭銀が有力と言われています。
54歩64歩をついている為、玉頭銀を使えないわけです。
ではここから本題なのですが、
△32銀とした場合の指し方について。
ここから3つ手が考えられます
- ▲45歩
- ▲55歩
- ▲66銀
①▲45歩
▲45歩を見ていきます。
▲45歩以下、
△45同歩▲33角成△33同銀▲31角
ここまで進むと互角な気もしますが、
ここからも振り飛車の手が多そうな局面。
候補手3つほどあげてみます。
- ①-1△74歩
- ①-2△44角
- ①-3△35歩
①-1△74歩
△74歩以下、
▲24歩△24同歩▲42角成△同金▲45桂。
結果図は互角ながらやや居飛車指せそう。
居飛車の右桂がさばけている格好で、
実際は結果図で△44角からまだまだこれからかもしれないですが、
そもそも△74歩が少し指し過ぎというかリスクもありそうにも見えますね。
途中でもし変化して飛車が動くことになれば▲64角成が王手になってしまうのが気になります。
①-2△44角
△44角以下、
▲66銀(▲77桂は△46歩▲42角成△同銀▲46銀△74歩▲24歩△75歩)△35歩▲35同歩△65歩▲77銀△36歩▲42角成(▲45桂は△77角成~△45飛車)△同銀▲45桂。
結果図は振り飛車指せる。
居飛車の▲45桂がやや空振りになっていますね。
結果図から△35角や△64角を見て振り飛車まずまずの序盤戦だと思います。
①-2参考図
①-2で▲66銀に代えて▲77桂と指して進んだ図面です。
居飛車側に桂があれば▲74桂で危険なのですが、
一瞬だけ大丈夫なのでこういう手もあるという一例をあげてみました。
途中の△46歩が大事な一手で、
△46歩の瞬間居飛車に有効な手が難しい事と銀を46に呼び込んでおくのが抜かりない手順。
△46歩を省略して△74歩~△75歩をしてしまうと、▲66銀や▲66歩等と受けられてしまう。
①-3△35歩
△35歩は以下、
▲24歩△24同歩▲42角成△同銀▲45桂。
結果図は互角。これからの将棋だと思います
結果図以下、
△33桂だったら・・・
△33桂以下、
▲43歩△45桂▲42歩成△57桂成▲52と△68成桂▲同玉△52金
激しく攻めあった図面。
お互いわが道をいく感じですが、中終盤勝負の将棋だと思います。
△33桂に代えて△36歩だったら・・・
△36歩以下、
▲24飛車△33桂▲33同桂成△33同銀▲21飛車成△47歩
これはこれでいい勝負だと思います。
②▲55歩
△32銀に対して▲45歩は振り飛車が互角か指せそうなことがわかりました。
では▲55歩を見ていきます。
ここでも振り飛車側の手がいろいろありそうな局面。
- ②-1△55同歩
- ②-2△43銀
- ②-3△53金
②-1△55同歩
△55同歩以下、
▲66銀△53金▲55銀△54歩▲66銀△43銀。
結果図は互角ながら振り飛車指しやすそう。
この△53金~△43銀型は意外と耐久力があります。
居飛車側の五段目に出てきた銀を追い返すことに成功している事と角が窮屈そうです。
振り飛車側は将来的に△63金と陣形を整える手もあります。
②-2△43銀
△43銀以下、
▲54歩△同銀▲35歩△43金。
結果図は一局の将棋。
この△43金もよく出てくる受け方の一つで覚えておきたいです。
②-3△53金
△53金以下、
▲54歩△54同金▲56銀△43銀▲55歩△53金▲45歩△63金まで。
結果図は一局の将棋。
5筋位取り模様の展開に持ち込んでいいと思います。
結果図で▲44歩には、
△44同銀▲45歩△53銀と好形に組み替えて振り飛車十分です。
③▲66銀
△32銀に対して▲45歩も▲55歩も振り飛車互角に戦えそうでした。
▲66銀を調べてみます。
振り飛車側の考えられる手は
- ③-1△43銀
- ③-2△63金
- ③-3△74歩
③-1△43銀
△43銀以下、
▲45歩(▲55歩であれば△53金がある)△74歩▲57銀△63金まで。
結果図は定跡手順と合流。
振り飛車目線で玉頭銀で戦えないのが気になる所で、
郷田新手を避けたい方はこの変化は避けた方がいいと思います。
△43銀に対して▲57銀引きなら△32銀で千日手を狙います。
③-2△63金
△63金以下、
▲16歩(▲55歩は△55同歩▲55同銀△54歩)△74歩▲47銀△73桂まで。
結果図は振り飛車十分。
高美濃が完成して、右桂を跳ねれていれば基本的に振り飛車満足。
45歩早仕掛け戦では高美濃に組めていればそれだけで振り飛車が指せる
っていう感覚を持ってほしいです。
③-3△74歩
△74歩以下、
▲55歩△63金▲54歩△43銀▲24歩△24同角(△24同歩は▲25歩の継ぎ歩がある)▲55銀△54銀▲54同銀△54同金▲55銀△65金▲54歩△52飛車▲24飛車△24同歩▲43角。
結果図は居飛車指せる。
やはり居飛車の銀が5筋に銀出られるのは相当厳しそうだ。
途中の▲24歩△同角の交換をするのが大事で、
省略して同じように進めると▲54歩には△52歩で受かる。
というわけで結論を書くと、
私が振り飛車党なのもありますが、
振り飛車が指せそうな変化を中心に掘り下げました。
しかし居飛車党の方があえて定跡を外し自分の土俵で戦う事も十分あるし、
この記事で書いたような変化にならない可能性も十分考えられます。
紹介した手順が最善手かは分からないですが、
レパートリーに食わせて頂ければ幸いです。
まとめ
ここまで読んで頂きありがとうございました。