四間飛車32銀54歩型VS山田定跡 ▲88角には△53角!
四間飛車党で32銀型を使う人なら必ず現れる変化。
32銀型はさばきが得意な方にお勧めの戦型で昭和の頃から指されており、
山田定跡と呼ばれる仕掛けで初心者の方には必修定跡です。
今回は四間飛車32銀54歩型VS山田定跡、
この中でも途中で現れるのですが▲88角と打つ変化があって
そこについて書いていきます。
山田定跡は、振り飛車を指す上で基本中の基本になる定跡の一つです。
32銀54歩型の山田定跡って、序盤の微妙な手順違いで忘れた頃にたま~に現れるんですよね・・・
最近は居飛車側も舟囲いではなくエルモ囲いなど現れて作戦が多様化しているため、
実戦での出現率はますます減ったように思います。
しかしエルモ囲いであっても攻め筋は同じですし
振り飛車側も美濃囲いではなく振り飛車ミレニアムや振り飛車穴熊を指す方も、使える変化でもあると思っているので参考にして頂ければと思います。
まず定跡手順を進めていきます。
上記写真図以下の指し手
△35同歩▲46銀
ここで振り飛車の手番で
△36歩が定跡です。
△36歩に代えて△45歩だとどうなるか。
△45歩以下、
▲35銀△88角成▲88同玉△53角(△64角は▲37歩△53角▲36歩で同じ)▲36歩。
結果図は互角ながらも居飛車指せそう。
銀が五段目に出れているし▲24歩からさばけそうです。
銀が五段目に出れていればだいたい居飛車が良いっていうのは、この戦型でも同じです。
結果図以下、
△64角▲37銀△33銀の進行だと、
次に▲24歩や▲66歩等でこれからの将棋だと思います。
というわけで△45歩ではなく△36歩を見てみます。
△36歩以下、
▲35銀△45歩▲33角成△33同銀▲24歩△24同歩。
ここで居飛車の手番で▲88角と▲24銀に大きく分かれます。
ここからが本題です!
今回この記事ではここで▲88角と指す変化について触れていきます。
▲88角と打った局面です。
ここで覚えて頂きたい手があって、△53角と打つことです!
△53角は△64角や△62角も目に付く所なので、おそらく知ってないと指しにくいかと思います。
角は遠い所から打つのも常識ですし、
64歩をついてない形では△64角もよくありますので、
その手が目についた方は筋が良い方だと思います。
ただこの形では△53角が定跡だと覚えて頂きたいです。
この△53角が54歩型を活かす角打ちで、
▲24銀には△27歩~△26歩を狙っています。
▲88角以下、
△53角▲24銀△27歩
先ほど上で書いた変化図面ですね。
居飛車の手番で、
▲33銀成と▲27同飛車がありそうですが、、、
▲27同飛車だった場合どうなるか。
▲27同飛車以下、
△26歩▲33銀成△33同桂▲28飛車△27銀。
結果図は振り飛車優勢です。
この△26銀~△27銀は山田定跡に限らずよく現れる筋なので覚えておきたいです。
▲27同飛車は振り飛車優勢になりました。
▲33同銀成を調べます。
ここで振り飛車の手番で
△28歩成と△33同桂が目につきますが、
△28歩成が正解です。
△33同桂だと、▲38飛車とかわされて次の指し手が難しいです。
▲33銀成以下、
△28歩成▲42成銀△42同金。
結果図は振り飛車優勢です。
結果図以下、▲11角成には△38と~△28飛車が厳しいです。
この図面の42金に角で紐がついているのが大事な所です。
△53角の所で△62角だとどうなるか。
△62角以下、
▲24銀△27歩▲33銀成△28歩成▲42銀成△42同金と同じように進めます。
これだと▲22飛車と金と金取りに打たれてしまいます。
▲22飛車以下、△38と▲42飛車成と進むと思われますが、
これでも互角だと思いますけど、△53角よりは明らかに悪いです。
ここで△53角や△62角に代えて△64角も目につくところです。
△64角には▲26飛車が好手です。
この▲26飛車のような浮き飛車はよくある手で、
居飛車党の人は覚えておきたいです。
▲26飛車以下、
△19角成▲24銀△24同銀▲24同飛車△22歩。
結果図は振り飛車十分だと思います。
細かく言うと△53角の変化の方は振り飛車明解に良かったので、
そちらよりは劣るかなという感覚です。こちらでも十分だと思います。
ここで▲88角と打つ変化についてご紹介してきました。
今回の記事では▲24同銀の変化については割愛させて頂きましたが、
もしご興味ある方いましたらネットで情報あさってみてください。
というより、▲88角には△53角で振り飛車優勢というのが一般的な考え方なので、
定跡を知ってる居飛車党の方であれば▲24同銀を採用する方も多いのが実際です。
あと、結論だけ書くと▲24同銀の変化も結論だけ振り飛車が良くなります。
基本的に32銀54歩型の山田定跡戦は振り飛車が良くなりやすいです。
なので実際は32銀54歩型には居飛車党は山田定跡を選ばずに
端角戦法や鷺宮定跡を選ぶことが多いです。
インターネットで「四間飛車 32銀型 端角or鷺宮定跡」等で検索すると出てくるのがそれです。
端角や鷺宮定跡だと振り飛車側54歩型では厳しい戦いになるので、
32銀64歩型や32銀12香型で戦う作戦もあったりします。
定跡覚えるの大変ですよね・・・
このブログでも私の復習もかねていつか書けたらなと思っていますが、
気長にお待ちいただければ幸いです!
ここまで読んで頂きましてありがとうございました。